マネージャーである菫さんもいる空間でする話に気まずさがあるのか、慌てて気を使って菫さんも誘ってくれた大月さんに、私の目が輝く。


「いいんですかぁ!?」

「えっ……、え?むしろ、あの、いいんですか?」

私の喜びようが予想外だったのか、大月さんが戸惑いながら私と菫さんを交互に見る。

菫さんは苦笑しながら、

「grisさんは本当にコーヒーに目がなくて……grisさんがいいなら、事務所的には問題ないですよ」

なぜだか、許可をくれた。


……ん?
美味しいコーヒーが飲めるカフェを教えてもらうのに、事務所の許可が必要だったのかな?


「わーい!大月さん、ぜひよろしくお願いしますー!」


大月さんからの有益な情報に浮かれて、さっきまでのピンチをすっかり忘れていた私は、その後の神奈からの連絡でかなりの窮地に立たされることになった。