「も〜、grisさんさっきまでashがここにいたのに、grisさんってばまだこの部屋の中にいたなんて〜！」

「は……はは〜」

「あれ？grisさんはashさんとの面識はないんですか？」

「え、えーっと……」

返答に窮(きゅう)していると、

「そうなんです、grisさんタイミングがなかなか合わずまだ直接会ってお話ししたことなくて」

菫さんが代わりに答えてくれた。

本当はめちゃくちゃ会ったことあるし、話もするけど一先ずここは面識ないことにしとこう。


「そうなんですね……あの、grisさん」

大月さんが納得してくれたあと、少し言いにくそうに掌を首の後ろに回しなが軽く俯く。

「はい、なんですか？」

「もし良ければ、おすすめのコーヒーが美味しいカフェがあるので今度ご一緒にいかがです、か？」

「……！」

「あ！あの二人が気になるようなら、ぜひ小田原さんも……っ」