「RUI!またそろそろカフェイン切れなんじゃないか!?買いに行くかっ?」

「うん、まぁ」

「RUIさん相変わらずコーヒーお好きなんですね〜」

「じゃあ大月さん、俺たちはこれで。小田原さんもまた……」

「はい、ぜひまたお仕事ご一緒させてください」


そう言って静かになった廊下に、ようやく息を深く吐き出すことができた。

扉にぴったりとくっついていた身体を離し、床に腰を落とす。

あ、危なかった〜っ。

RUIから私の名前が出たときは心臓飛び出るかと思った……。

神奈のおかげでなんとか難を逃れられたけど、これ本当に事務所って場所はやばいんじゃないか?


「わあっ!」

「え、grisさん?何してるんですか?こんなところで」

さっきまで身体を預けていたパインドアが突然開いて、驚き見上げる私を菫さんが不思議そうに見下ろしていた。