運ぶ、急げ。
あの日も沢山の人が、運ばれた。
「おーい!!!急げ!!全員、応急処置じゃ間に合わない状態だ!」
何人もの救急隊が、何台もの救急車が
私の目の前を周り狂っていた。
私の横には、血だらけのお姉ちゃんが
私の手を握って倒れていた。
「夜空…っ、ごめん…ね。」
大きな花火を目の前で見たくて、
人影の少ないところで、
花火会場を見渡せるような場所で
見ていた私たち。
誰もここにけが人がいるなんて、
気づかなかった。
一言、私が一言声を発せば
お姉ちゃんは助かった。
なのに私は、恐怖と不安で声が出せず
姉の手を握ることしか出来なかった。
あの時私が……。
