色になる君


するとお姉さんが小声で、


「実は、彼氏さんから彼女さんの事情を伺ってまして、急遽ルートを変えてご案内しました。ロマンチックのお裾分けありがとうございます!!」



「え!?月緋君が????」



「せっかく来たんだから、お互い楽しめたほうがいいだろ。」   



こんなに、人に対して好きが溢れたことはなかった。


気がつけば、月緋君の方に体が向き、

つい抱きしめてしまいそうになったけど

グッとこらえて、

手を差し出した。



「感謝の握手!」



「え?!ふふっ。本当、夜空は無邪気でよろしい。」


と、私の手を優しく包んでくれた。


事故以来、こんなに自然に昔の自分に戻ったことはない。


月緋君が、私の色になってくれたから。


理由はきっとこれ。


私は、誰がなんと言おうときっと  

この人に恋をしている。
  

そんな、淡い思いを持たせてくれた沖縄は、私にとって本当に大切な場所になった。