色になる君

「では、今からジェットバイクの安全な乗り方をレクチャーしたいと思います!」




ジェットバイクを案内してくれるのは、さっきのお兄さんではなく、


ベテランそうなお姉さんだった。


「基本的に、乗ってるだけで大丈夫なのですが、海の旅には危険が伴います!なので、
彼氏さんの方がしっかりと、彼女さんのことを守ってあげてくださいね!」



「はい。」



月緋君はというと、割と淡々に、私の彼氏役をしている。

 


とくに、笑うわけでもなくいつもと同じ平常運転って感じだ。
  


逆に私は、さっきからお姉さんが彼氏彼女と言うたびに過剰反応をしてしまって、



絶賛反省中。


でも、更衣室であんな話したら
意識しちゃうし、今日は楽しむって決めたから。今日は、心に素直になるんだ。



無事、お姉さんからレクチャーを受け終わり
いよいよ本格的に海の旅へ。



お姉さんが運転してくれるので、本当に私たちは乗ってるだけで良いんだけど、


普通に考えて、お姉さんの後ろに座るのは私なわけで、そうなると月緋君が、


私は抱きしめる感じで座ることになっちゃうけど、大丈夫なのかな。


月緋君の方を見ると、ちらっと私の方を向いたかと思えば、何か思いついたような表情を浮かべて、


「あの、忘れ物したのでちょっとだけ待っててもらえますか?」



と言い、更衣室の方へ走って行ってしまった。


しばらくすると戻ってきた月緋君。


「これ着てほしい。」


渡されたのは、さっきまで月緋君が着てた
シャツ。