お前、俺を誰だと思ってんだ

〜数週間後〜

2年生の授業やら、女の子らしいっていう
やつにもだんだんなれてきた




ちなみに私と李梨沙の部活は女子バス




2人とも小さい時からバスケをしていて、
自分で言うけど結構上手い方




小さい時から2人で一緒にやればだいたいのことはこなすことができた




なんて、綺麗事に思うかもだけど結構ほんとだったりする




興味さえ持てれば2人でがんばれる




って、今放課後で李梨沙が日直だから日誌を
だしに職員室から帰ってくるのを待っている




うん…遅い




ってまだ1分とか2分しかたっていないけど




李梨沙ってこう言う仕事はすぐ終わらせて
くるから遅いと不安になる




なんというかいやな予感…




※心配性か。




職員室まで行くか〜




階段を降りていると声が聞こえてきた




「え、とあの…」
「結構可愛くね?」
「ねぇ、どうよ」




あ〜絡まれてんな




李梨沙は心開けば大丈夫なんだけどな〜




人見知りだから初対面とかなれてない人には
すっげぇ静かになるんだよな




このまま助けないでいるのも李梨沙の反応がおもしろいけど流石にかわいそうだから助けるか




「ねぇ、いいじゃんか!ちょっとだけ!」




えーっと、人数は3人か




2人が口説いてて…1人暇そうだな




多分あいつが偉いやつみたいな存在だな




「はい、ストップー」




「は?なにお前」




「ん?こいつのだ…友達」




あぶねぇ、ダチっていうとこだった




「…あ!お前!」




「…?」




「前にぶつかったやつだ!」




「は?」




「そうだっけ?」




やべぇ、まったく覚えてねぇ




誰かとぶつかったのは覚えてるけど、
顔までは覚えてねぇや




「忘れたのか?」




「ん?顔までは覚えてね…覚えてないかな」




「こいつ睨んできたやつだよ!」
「ん〜あ!あいつか!」
「女なのにすげぇ圧って噂の!」




なんて小声で話してるのバッチリ聞こえてる




李梨沙にも聞こえているから、睨まれた




いや、なんで噂になってんの?




「って、この子初対面の人とか、とくに男。
 苦手だからあんまちょっかいかけないで
 あげてね」




「じゃあ!」




「いこ」



 
李梨沙の手を掴んで教室に戻ろうとしたら




「まて」




さっきまでずーっと黙ってた男が声を上げた




なんかみたことあるような…




「…なにか?」




「お前、名前は?」




「…は?」




名前…?私の?




「名前だよお前の」




「私?」




「お前以外誰がいんだよ」




「あぁ〜」




「で、名前なに」




「なんでそんなに名前知りたいの?」




「めんどくせぇな、なんでもいいだろ」




いや普通気になるよね!?




知らん人に名前聞かれてるんだよ!?




「あんたの名前は?」




「は?」




「とくに理由はないけど名前教えてくれたら
 私も教える」




「…ちっ」




「東堂…蓮」




東堂蓮、か…




やっぱりなんか聞いたことあるような…




まぁいっか




「で?お前は?」




「あ、黒崎聖良」




「ふーん」




なにこいつ…なにが目的なんだよ




「じゃあ戻っていいや」




「またね、聖良」




「え、あ、ちょ」




いっちゃった




「知り合い?」




「んなわけ!」




「だよねー」





「てか前より聖良の口調が良くなってる気が
 する」




「あぁ…そうなんだ?」




「うん」




「まぁよくわかんない噂はあるらしいけど」




「私は知らなーい」




「ふふっ、聖良らしいや」




「あ、聖良ありがと」




「なにが?」




「いや、確かに最後の東堂って人のせいで
 なにが起きてたのか忘れてたけど、
 私ナンパみたいなのされてたんだよ!」




「あぁ、そういえばそうだったわ」




「それを聖良が助けてくれたっ」




「なんでそんな自信満々なの?」




「やっぱ聖良が隣にいるだけで心強いな〜
 って」




「へー」

 


「照れてる?」




「照れる…?」




「いやなんでもない」




今の場面で照れるとこなんてあったか?




まぁいっか




そのまま李梨沙と家まで帰った