「私は一人っ子なんだけど」
「お父さんとお母さんは警察官で、仕事が
忙しくていつも家に1人だった」
「ご飯とかは用意されてたけど」
「親と話す時間も顔を合わせる時間さえ
少なかった」
「それでも休みの日はたくさん私と遊んで
くれて、いっぱい笑った」
「ほとんど親がいなかったから寂しかった」
「でもすっごく優しくて強くて」
「触れ合う時間が少なくても愛されてること
は伝わってたし私も大好きだった」
「でも私が小学生のころお母さんたちが仕事
で見回りをしてたときに」
「たくさんの不良たちがいて」
「そいつらは暴走族に近い人間だった」
「そいつら周りに迷惑がかかるようなことを
してたらしくて」
「お母さんたちは注意しただけだった」
「優しく注意してたんだって」
「それなのに…」
「高校生くらいの人、10人以上かな」
「鉄パイプとかいろんなもので殴って」
「大人であろうと…強かろうと」
「10人以上で鉄パイプ持ってこられたら
勝てないよ…」
「お母さんたちは素手だった」
「高校生相手に武器は使わないって」
「若い人たちに怪我させたくなかったって」
「2人とも頭を何回も何回も殴られて…
そのまま死んじゃった」
「許せなかったよ」
「その話を聞いたときすっごいムカついた」
「でもなにもすることができなかった」
「結局私は施設に入れられて」
「なんだかんだ5年生くらいだったかな」
「李梨沙がずっとそばにいてくれて」
「施設抜け出して李梨沙の家に泊まったり
させてもらってたんだけど」
「2年たって、中学生になった」
「中学生だから小学生の時より理解力とか
あがるし行動力があがって」
「まともに親のことについて話が聞けてなか
ったから聞きに行こうと思って」
「親が働いてた場所に行ってみて」
「佐々木さんって方に出会ったの」
「今も面倒見てもらってるいい人で」
「親が仕事場でどんな存在だったのか、
どんな事件を解決してきたのか」
「いっぱい話を聞かせてもらった」
「その話を全部聞いて気持ちがコントロール
できなくなった時があってね」
「中学1年か2年前半くらいまで荒れてて」
「ムカついてムカついてしかたなくて」
「そこらへんの不良全員ぶっ倒して」
「まだ気持ち治らなくて」
「そのとき佐々木さんが家を貸してくれてた
からその家で1人で考えてた」
「私はこれからどうすればいいんだろって」
「親がいなくなってどうすればいいの」
「兄弟なんていないし親戚もいない」
「最後まで話聞いててくれれば親戚がいない
のにいるって嘘ついた理由わかると思う」
「それで、荒れに荒れまくって気づいたの」
「こんなことしてても私気持ちおさまらない
親がしてたこと継ぎたいって」
「佐々木さんのところに行って」
「私にも警察の手伝いさせてくださいって」
「人を守りたかった」
「親を守れなかったから今苦しんでる人とか
いろんな人を助けてあげたいって」
「私にはそれしかできなかった」
「お金もいつかはなくなっちゃうし」
「お小遣いみたいな感じで佐々木さんの
お手伝いさせてもらおうって」
「最初はダメって断られた」
「お金なら渡すから安全な暮らしを送れって
言われた」
「私は嫌だった」
「私は人が守りたい」
「お金だけもらうなんて嫌だった」
「どうしたら納得してもらえるか考えた時に
ちょうど銀行強盗と出くわして」
「荒れてた時の力使ってぶっ倒して」
「警察まで届けたらいろんな人に褒められ
た」
「すごいねって」
「認めてもらえた」
「家のこととか全部話してちょっとでもいい
ので手伝わせてくださいって言ったら」
「自分の身を1番に守ること、
友達を大事にすること、
学生だということを忘れないこと、
無理はしないこと」
「これを守るならいいよって」
「人を守れるならなんでもよかった」
「そして私はサポーターみたいな感じで中学
3年生から仕事をはじめたの」
「もしなにかがあったときのためにって
ありえって名前をもらったの」
「本名じゃない方がいいときがでてくるかも
しれないからね」
「帰りにちょっと遠回りして道案内とか
荷物運びとかこんなのでもよかった」
「だんだん誘拐とかも多くなってきて」
「私がおとりになって解決したりとか」
「こんなことしてるなんて私がほんとに信用
してる人じゃないと知らない」
「蓮は信用してるでも好きだったから」
「嫌われたくなかったから…」
「仕事のことは黙ってた」
「ごめんなさい」
「仕事のことを言ったら蓮はなんて言うん
だろうって」
「これを蓮が知ってなにかをきっかけに、
嫌われたらどうしようって」
「それでバレないために親戚がいるって
嘘ついてた」
「ほんとにごめん」
