お前、俺を誰だと思ってんだ


「んっ…」




「お、おはよ」





「はよ」




「んー…」




ここ、どこだっけ…




「お前起きるの早いな」




「えっ…」




そうだ、保健室にいて…?




「せいらぁぁぁ」




「うおっ」




李梨沙が抱きついてきた




「ごめんねぇ、私も聖良のこと守れるように
 頑張るから離れないでね」




「いいよ、私が頑張るから」




「今まで李梨沙を離したことねぇだろ?」




「うん」




「大丈夫だから」




「大好きぃぃぃ」




「うん、よしよし」




「お前らカップルみてぇだな」




「は?なにいってんのお前」




「いやそうだろ」





「わからん」




「てかこいつ彼氏いるし」




「え、李梨沙お前いたの?」




「いるわよ!失礼な!」




「聖良は?」




「うっ…」




「でも好きな人はいるもんね?」




ニヤニヤして私の方を見る李梨沙




「こ、こら!」




「ふーん、いるんだ」




「ま、まぁ…」




気まずい…




なんか話題…




「あぁ!私さっきのこと気になるしここで
 休んでて!」




「誰かに聞いてくる!」




「は?」




「じゃあ!」




「ちょっと!」




扉を開けた途端




ドンっ




「「いってぇ…」」




「奏!」




「聖良?」




「聖良ーー!」




「なにお前急に抱きつくな」




「えぇ〜冷たくね?」




「いやなにしにきたの」




「こともおさまってきてるしお見舞い?」




「李梨沙ちゃん大丈夫?」




「私はなんともない」




「ありがとね」




「いーんだよー」




「いやぁ、聖良かっこよかったねぇ」




「なにが」




「あの堂々とした姿」




「オーラが怖かった」




「褒めてんのそれ」




「褒めてるよー!」





「ってよくあの距離で俺のことみえたな」




「なんかうるせぇもん」




「いやわかんねぇんだけど?」




「なんかみたことある顔が立ってるなって
 よくみたら奏だったから呼んだ」




「ありがと」




「お、おう?」




「あ、あのあとどーなったの?」




「ん?」




「警察が来て男は連れてかれた」




「そんとき2時だったし今日の文化祭は
 終わった」




「ふーん」




「明日はやるってさ」




「へぇ」




「まぁ生徒しかいねぇしな」




「そっか」




「なぁ」




「んぉ?」




「どした?」




さっきまで黙ってた蓮が喋り出した




「お前ら距離近い」




「え?」




「あぁ」




奏が立ち上がった




「ごめんね?蓮くん?」




「きもい、近づくな」




「怒んないでよぉ〜」




「とらないから大丈夫だって」




「っ…」




「ねぇ、李梨沙ちゃん」




「ん?」




「まだくっつかないの?」




「あと一歩よ」




「頑張ろうとしてる子がいるから」




って私の方を見ながら言ってるけど




なんの話してんの?




「へぇ〜!」




「がんばれ聖良!」




「はっ?」




「奏さっきのお礼になんか奢るから行こ!」




「お!まじ!?行くわ〜ありがてぇ」




「じゃ、お先!」




「えっ、ちょっ」




「聖良、頑張れ!報告待ってるから!」




「応援してるぜ!」




「はっ?」




「じゃーね!」




バタン




「…」




「頑張れってなに」




「さ、さぁ?」




「お前なに頑張るの?」




「わ、私にもよく…」 




「「…」」




って、今ここで告白しろってことだよね?




李梨沙たちその状況つくってくれたんだ




「まぁここにいてもすることねぇし行くわ」




「えっ」




「じゃ、お大事にな」




「ま、まって!」




「あ?」




「あ、あのね…」




「蓮に言いたいことが、あって…」




「おう」




「あ、あの」




「私、蓮のことがす、好きなの」




「は…」




蓮はすこし黙ってた




「…ごめんな」




「へっ」




「嬉しいけど他に好きなやついてさ」




「お前のこと好きだけど友達としてしかみれ
 ない」




「そ、そっか」




そうだよね…なに成功すると思ってんの




「こんなこと言うのあれだけど…」




「その子の名前とか…」




「…他のやつには言うなよ?」




「ってこの学校じゃないし今どこにいるかも
 わかんねぇんだけど」




「ありえっていう」




は…?




いま、ありえって言った…?




「俺が中学生の時に助けてもらったやつで」




「いつのまにかいなくなってたんだけど」




「やっぱそいつのこと忘れられないんだわ」




「なに、それ…」




「え?」




「私にとられた…?」




「なにこれ…」




「せい、ら…?」




「あっ、…」




「お前…」




「…」




「もしかして…」




「…そうだよ」




「ありえだよ」




もういい




この際言っちゃった方が早い




「なにいって…」




「覚えてるよ」




「って思い出したのは最近だけど」




「辛かったね、蓮」




「仲間思いなとこ知ってるよ」




「お前、ほんとにありえ、なのか…?」




「うん」




「蓮が1人で敵チームにのりこんで」




「頑張って戦って私の言葉響いてくれて」




「喧嘩しなくなったんでしょ」




「知ってるよ」




「うそ、だろ…」




「で、でもお前は黒崎聖良なんじゃ」




「ありえは偽名」




「聖良を英語で書くと」




「seira」



「sを消して逆から読むと」




「arie」




「ありえ…」




「ありえっ」




ぎゅ




「似てるって思った」




「お前を見るたび、お前に近づくたび」




「毎回ありえのこと思ってた」




「こんな近くにいたんだなぁ…」




「蓮っ…」




「あのときお前がいなかったら俺は…」




「俺は今頃どうなってたんだろうな」




「ずっと会いたくて…」




「さっきのお前の戦い方を見て」




「やっぱりありえにみえて」




「辛かった」




「ごめんね」




「ありがとう、好きだよ蓮」




「俺も好き、大好き」




「俺と付き合ってください」




「はいっ」




「はぁ…嬉しい」




「うん」




「てか、なんで偽名とか…」




「…」




「それも含めて全部話すね」




「私の過去のこと」