お前、俺を誰だと思ってんだ

〜保健室〜


「ほら、そこで寝てな」




まだ震えてるな…




私は李梨沙が寝てるベッドの横に置いてある椅子に座った




「…ごめん」




「え…?」




「李梨沙のこと守れなかった」




「怖い目に合わせちゃった」




「ごめんね、」




「いつも李梨沙だけ辛い思いして怖い思いも
 して」




「また辛い思いさせちゃった」




「ごめん」




「なに、言ってんの…?」




「私じゃないでしょ…」




「今だってなんで辛そうな声でそんなこと
 言うの…?」




「いつも守ってくれるのは聖良じゃん」




「私が泣いてる時も、辛い思いしてる時も、
 危ない目にあった時も」




「必ず聖良が助けてくれるじゃん」




「小さい時からそうだよ?」




「私だって守られてばっかりじゃなくて、
 守りたいって助けられるたびに思う」




「でもやっぱ怖くて、それでも聖良が守って
 くれるから、助けてくれるから」




「私は大怪我とかしてこなかったし、
 辛くてもすぐ元気になれた」




「それなのになんでよ…」




「人を守りたいって気持ちはわかるよ」




「わかるけど自分のことも守らないと」




「聖良が動けなくなったらやりたいこととか
 できなくなっちゃうんだよ?」




「私、聖良が大怪我なんてしたら嫌だよ」




「私なんかより聖良の方が辛い思いしてる
 じゃん」




「李梨沙…」




「聖良のバカ…」




李梨沙は私に背中をむけた




「ごめんね…」




頭を撫でていると李梨沙はいつのまにか
眠りについていた




「はぁ…」




「ごめんね、私がこんなんじゃ…」




「李梨沙も辛いよね…」




ガチャ




「聖良」




「蓮…」




蓮は私の方に近づいてきた




「どしたの…?」




「大丈夫か?お前」




「え…?」




「辛そうな顔してる」




「そんな顔してない…」




ぎゅ




「れ、れん…?」




「お前はよく頑張ってる」




「は…」




「李梨沙のことよくみてるだろ」




「李梨沙だけじゃねぇ」




「話したこともねぇどこの誰かわかんねぇ
 やつにも声かけて笑顔で接して」




「後輩でも先輩でも同じ学年のやつでも」




「誰にでも手差し伸べてんだろ」




「俺だってそうだよ」




え…




「俺だってお前に助けられてるうちの1人」




「蓮…?」




「無理しすぎだよお前は」




「李梨沙のことも見てるからお前寝ろ」



「ほら」




「そこ空いてっから」




「お疲れ様、ゆっくり休めよ聖良」




蓮が頭を撫でてくれていた




あったかいなぁ…




泣きたくなるような




優しい声してる




私もいつの間にか眠りについていた