皆さんは知っていますか?

桜の木の美しさの秘密を........








「桜の下には死体が埋まってるんだって。」

下校中、突然隣を歩く幼なじみが言った。

「........そうなの?」

「噂の元は、小説家の梶井基次郎の
櫻の木の下には という作品で、
桜があれほど美しいのは、桜の下に
死体が埋まっていて
血を吸い取っているからっていうのが
元と言われてるけど、
江戸時代の中期頃までは、
桜は不吉なものだとされていたらしい。」

「ふーん。」

「興味無いでしょ。」

「うん。」

なんでと聞いといてあれだけど、
正直言って私は興味が無い。
カジイモトジロウって誰だ?

「まぁ、続き聞いてよ。」

「家に着くまでな。」

「えっとね。桜は散るイメージが強いから、
人の死や物事の失敗と関連付けられ、
桜は散ったあとすぐに色褪せることから
心変わりを意味しているとも考えていて、
不吉なものだとされてたの。」

「ほーん。」

「あとは、墓地や戦場跡地などに
桜が多く生えていることから、
桜は人骨を吸って育つという言い伝え、
あとは、鬼や霊が棲んでいるっていう
伝承もあるらしい。」

「でも、今は愛されてるよね。桜。」

「江戸時代の中期頃から、
桜はめでたいものになったの。」

「よく知ってるな。」

「調べたからね。」

「さすが、学年首席。」

「気になったことは、調べないと
気が済まないの。」

幼なじみの花織のことを、
私は素直に尊敬する。
勉強が嫌いな私は、調べるという
選択肢すら出てこない。
あ、その代わり、
体育は得意で、部活もレギュラー。

「ねぇ。」

花織が、話かけてきた。

「なに。」

「私がもし、死んだら
桜の下に埋めてよ。」

「なんでよ。」

「桜には霊が棲んでいるっていう伝承が
あるって言ったでしょ。
なら、死んだ後も、日向が来てくれれば、
いつでも会える。」

「やだよ。毛虫いっぱいだし。」

「虫嫌いだもんね。」

嫌いというレベルじゃない。
もし、毛虫など降ってきたら、
私は失神する。
それに、

「花織は健康だし、まだ死なないでしょ」

花織は生まれてから
病気にかかったことは、風邪に
一、二回程度だ。
か弱そうな見た目をして、
意外と頑丈。
学校でいつも皆勤賞をとっている。

「分からないよ。
人はいつ死ぬか分からない。
毎日が誕生日であり、命日って
聞いた事あるでしょ?」

「知らんし、
そんなに突然はこないでしょ。」

「日向は長く生きそうだね。」

「それは褒めてるの?」

「凄い褒めてる。」

褒められた気がしない。
話してるうちに、家に着いた。
ちなみに、私と花織の家は
隣同士で、親も仲がいい。

「ついた。じゃーね。」

「明日。」

花織と別れて、家に入る。

桜の下に埋めて、ね。

まず、どうやって埋めろっていうのさ。
桜を育てるのは無理。
なんせ、小学校で野菜を育てた時、
世話をしなさ過ぎて、1番に枯れた。

私には向いてない。


あーあ、考えたらお腹すいてきた。

今日のご飯は何かなー♪

「母さん。今日のご飯は?」

「カレーよ。」

「よっしゃ。カレー!」

私は、部屋着に着替えて
スマホをいじる。

花織から、LINEがきていた。

( さっきのは忘れていいよ。)

忘れられたら忘れるわ。

(多分了解ー)

花織は、
美人で、成績優秀。学校の人気者であり、
高嶺の花と言われている。
今は高二なんだけど、先生や先輩の中で
時期生徒会長候補に上がってる。
本人はやる気ないみたいだけどね?

あ〜 眠い。宿題?なにそれ〜

眠い時には寝るべきだよね!

あ、でもカレー食べてからにしよ♪
カレー♪カレー♪