「はぁあ〜〜〜…就職どうしよ…」



私は綾川咲、現在就活中の22歳



地元の大学に通ってはいたものの仕事が中々見つからない



なぜなら私は超が付くほどの不器用さで何事も上手くいかないからだ


今までは友達に助けて貰っていたりで何とかやっていけたが就活となれば話は違う。戦の様なもの…



そんな憂鬱さを実感しながら電車を待っていると目の前の広告に目が止まった



『超人気!eスポーツプレイヤーの生配信イベント!!今回のゲストはSHOTT』



「いいなぁ…好きなこと仕事に出来て…」



やりたい事もやりたくない事もよく分からなくなってきた



年を取るにつれて自信も無くなっていたし…



「疲れた…もう休んでもいいかな…」



足が自然に前に進む



ガタンッゴトンッ…



なんでこういう時はタイミング良いんだろう…



ガタンッゴトンッ…!



あ、そっか…




プーーーーー!





消えていいんだ……




体が傾く



震えはない



怖くないから







「おいっ!」




ガッ!



「…えっ」




やめてよ…




腕掴まないでよ…助けないでよ…




「ッ!ハァッ…ハァッ!何…してんの…!」



顔を上げるとアシンメトリーな前髪で少しウルフカットな中性的な整った顔の男の人が息を切らして私に声を掛けていた



「コッチの台詞なんだけど…」



邪魔された…折角楽になれそうだったのに