「…美恋、嘘ついてる」
濁ったソウくんの瞳が、私を見つめる。
こんなに彼の目は、汚かっただろうか。
「……美恋は俺のことを愛してくれるんじゃないの?」
ぷちん、と私の中の何かが切れた。
──どうしてこんな、アンドロイドなんかにそんなこと言われなきゃいけないの。
彼は、ロボットなのに。
「っだってソウくんはロボットじゃん!本当に愛せるわけない!生きてないんだもん!ソウくんの言う愛してるだってプログラミングされてるだけなんだよ!」
全部全部、なかったはずの感情なのに。
アンドロイドにときめいてしまったのは、一時の子どもじみた感情のせいだ。
あの時の私は、人を愛することを知らなかったから。
────心のないロボットなんか、愛せない。
その瞬間、ばちん、と大きな、何かが切れたような、そんな音が鳴り響いた。
目の前に立つソウくんが、そっか、と微笑む。
「ミコ、そんな風に思ってたんだね」
──…どこか違和感のある口調。
…いつもより話し方が、不自然なような。
「…外出てくる」
そんな彼がどことなく不気味で、私は逃げるように家を出た。
走って走って、公園のベンチに腰掛けるその男の子の姿に、思わず駆け寄る。
「っ多賀谷くん!」

