リソウカレシ



「ま、まだあんまり多賀谷くんのこと知らないし…お友達、から」


ソウくんのことはもちろん浮かんだ。

──…でも彼は、所詮アンドロイドだ。人じゃない。



「っマジで、」


お友達から、と言っただけなのに、多賀谷くんは嬉しそうに頬を染めて。


「あー…振られる覚悟だったのに。マジか、やべぇニヤける」


そう言いながら口元を隠す多賀谷くんに、また胸が鳴る。


「お、大袈裟だよ。OKしたわけじゃないのに…」

「そんだけで十分。……家、どの辺?送ってく」


素っ気ない口調のまま、そんなことを言ってくる多賀谷くん。

悪いよ、と慌てて首を振れば、彼は別に、と不機嫌そうに声をあげた。


「こっちはせっかく出来たチャンス掴もうと必死なんだよ。株くらい上げさせろ」


つっけんどんなその言い方にも私への愛情が溢れている気がして、思わず俯く。

それから顔を上げて、小さく笑ってみせた。


「ありがとう多賀谷くん」


──…人から向けられる好意って、こんなに嬉しいんだね。



多賀谷くんはさりげなく目を逸らして、おう、と無愛想に返してきた。