リソウカレシ



「そそそそっか。ならいいの。明日私のカレシのフリしてくれると嬉しいんだけど…」


上ずった声でそう言えば、ソウくんは不思議そうに目を瞬いた。


「フリも何も、俺は美恋のカレシだよ?」


ドキン、と心臓が跳ねる。


──…本当に彼は、私の。


「俺は美恋のこと好きだけど、美恋はそうじゃない?」


性格設定の1番最後に、『私のことを愛してる』なんて子どもじみたことを書いたのを思い出した。


────リソウカレシ、最高じゃん。


「わ、私もソウくんが好き…だよ」


緊張で声は震えていたけれど、ソウくんは照れくさそうに笑ってくれた。

細かい表情がリアルすぎて、やっぱりどう見たって本当の人間だ。


「それで明日、美恋と外に出かければいいの?」

「あ、うん。…てゆーかどうしよう、ママとかに見つかったら…」


当たり前だけど、リソウカレシの話はママにもパパにもしていない。

アンドロイドをカレシにするなんて言ったら、すごい冷めた目で見られそうだし。


私の不安げな表情に気付いたのか、ソウくんが大丈夫、と微笑んだ。


「俺大人しくしていられるよ。ご飯もいらないし、美恋の部屋に隠れてようか?」


もちろん着替えするときはちゃんと目瞑るし、何なら押し入れとかに隠してくれてもいいから。


そんな風に笑ってくれるソウくんはまるで、本物の王子様みたいだった。