恐る恐る、布に手をかける。
この布を取ったらたぶん、アンドロイドの電源が入るんだろう。
意を決してそーっと白い布を捲り、視界に入ったそのアンドロイドの姿に、私は思わず息を呑んだ。
──…これ、本当に人じゃないの?
思わず食い入るように見つめていると、アンドロイドのまつ毛がふるりと揺れる。
右目の下に小さな黒子があって、本当に私の作ったリソウカレシなんだ、と驚いてしまった。
「……おはよう、美恋」
艶のある、低く心地いい声。
上体を起こして私を見たアンドロイドが、人間顔負けの綺麗な笑顔を見せてくれた。
「っあ、お、おはよう」
人に近いアンドロイドなんて言ったって、さすがにアンドロイドだとわかるくらいのものだろうと思ってたのに。
今目の前にいる彼は、どう見たって人間で。
「……そんなに見られると照れるよ美恋」
機械だとは思えないくらいに滑らかな会話、表情の変化。
困ったように眉を下げる彼に、私は思わず呟いた。
「…本当にアンドロイド?」
ぱちり、彼が二重の瞳を瞬く。
それからクスリと笑って、小さく頷いた。……本当に心があるみたい。
「うん。俺は美恋のリソウカレシ。アンドロイドだよ。…だからとりあえず、名前が欲しいな」

