リソウカレシ



「てゆーか美恋ちゃんカレシいるなら、今度あたしのカレシも一緒にダブルデートしようよ」


そしてそんなことを言って、意地悪な笑みを浮かべる未菜美ちゃん。

……もしかして嘘だって、バレてるのかもしれない。


「え…あ、私のカレシ、初対面の人苦手で」


咄嗟に適当な言い訳をすると、未菜美ちゃんはええー、と声をあげた。


「大丈夫だよ。だったら待ち合わせだけ一緒にして、行動は別にすればいいじゃん。あたし美恋ちゃんのカレシ見たい!」


──バレてるな、と実感。

未菜美ちゃんは私にカレシなんていないことを見抜いていて、その上でこんな意地悪をしてきている。


「……うん…」


当日は誰かに頼んで、一緒に来てもらうしかない。

最悪私にはお兄ちゃんがいるし、頼み込めば何とかなるだろう。


「じゃーあ…今週末、明後日の土曜とかどう?」

「…うん、わかった」


いもしない架空のカレシを連れていく約束をして、それから未菜美ちゃんは自分のグループの方へ戻って行った。


1人になったその瞬間、私は机に置いていたスマホを手に取る。

お兄ちゃんに連絡して、今週末空いてるか聞かないと。

私とお兄ちゃんは2歳差であんまり似てないから、カレシだって言い張れば騙せるはず…。