「──それで、美恋ちゃんはまだカレシいないの?」
男の子無理かも、と思った矢先に未菜美ちゃんが首を傾げてくる。
「モテない子って可哀想だよねぇ。結愛だって、高校生にもなって付き合ったことない子といるの恥ずかしいんじゃない?ほら、今だって美恋ちゃんよりカレシの方行ってるし」
うん、と頷こうとした瞬間、未菜美ちゃんはバカにしたようにそう呟いた。
……私まだカレシいないって言ってないのに。
決めつけてくる彼女に、思わずイラつく。
「そうそう、あたしもカレシいるんだけどね……ってカレシいない子にこーゆう話しない方がいいかぁ」
ごめんごめん、なんて言って嘲笑を浮かべる未菜美ちゃんに、気付いたときには言っていた。
「私、カレシいるよ」
嘘がバレるかも、なんて気持ちより今は、未菜美ちゃんにカレシいないことを決めつけられたことが許せなくて。
言ってしまってから、どうしよう、と心の中で慌てる。
「え?そうだったの?」
私の焦りなんて露知らず、未菜美ちゃんは急に声のトーンを上げて、それからあざとく首を傾げた。
「なーんだ。それなら早く言ってよ〜」
「…言うタイミング、掴めなくて」
急に態度を変えてくる未菜美ちゃんにもイラついて、嘘をついてしまったことを後悔。
……やっぱり未菜美ちゃんは嫌いだ。

