うしろの席になってから、知ったこと。
それはマシロくんには彼女がいること。
しっかりしてそうで抜けてるマシロくん。
彼女とのメッセージのやりとりを開けたまま机の上にスマホを置きっぱなしにしてたりするし、たまにね。
やりとりしてるのがうしろから見えたりするんだよ。
マシロくんは隠してるんだろうけど、隠されるのが1番つらいんだよ。
でも、優しいマシロくんは今日も私のわがままに付き合ってくれて、私の近くにいてくれる。
だから、マシロくんが話してくれるまでは、その優しさに甘えてもいいよね?
特別にして、って言わないからさ。
授業中、先生が抜けている間に進めておけと言われていたページの問題は進まないまま、戻ってきた先生と同時にマシロくんは前を向き、服部さんに借りていた扇風機を返していた。
あっという間に静まり返り、先生の声だけが響く。
先生の声なんて、聞いているようで頭には何も入っていない。
目の前で真剣に授業を受けるマシロくん。
表情は見えないけど、見なくたって真面目な姿は後ろからでも分かる。
どうしたってかっこいいマシロくんの姿に、一瞬一秒も目を離したくない。
どうしたら、特別になれるのかな────なんて。
こうして私、優木逢生(ユウキアオ)は今日も真白くんに叶わない片想いをしながら過ごしている。

