Act 5  再会の同窓会。




夕方には空が真っ暗になり始めて、フーっと手のひらに向かって吐く息が白くなる。

コートやダウンが大活躍し始めて待ちゆく人々の装いも変わってしまって、寮では坂上さんが買ったと言うこたつを皆で取り合う。

改めて冬が来たなぁ~と感じる今日この頃いかがお過ごしですか?私の気分は最悪です。

「静綺、今週の土曜日は……」

「私今週は卒論で忙しいから!」

朝ご飯の準備をしていると、真央が申し訳なさそうに話を掛けて来る。
しかし私の返答を聞いてムッと顔をしかめて、不機嫌そうにソファーに戻った。

最近はずっとこの調子。分かっている。花乃さんと真央に過去に何があろうと、それは仕方がない事。恋人関係だって、それに付随する関係があったとしても、それはもう過去の物だって…

分かっているのに…過去を変える事は出来ない。誰にしたってそうだ。まあ…私は真央がヤキモチを妬いてしまうような過去のひとつもないんだけど。だってあいつ私の初めての彼氏だし。

「坂上さんッ、今日の予定は?!」

「今日は雑誌社の取材がいっぱい入ってるよ~。特に今超人気のsnsnの男の体特集の撮影があるって言ってたでしょう~?
その為に真央くん体しぼったんでしょ?」

「うるせ!俺は元々スタイルは良いんだよッ。努力で体型を保っているような事を言うな!」

努力してるくせに。

「僕はその現場行けないから、月島さんと一緒に行ってね。
この仕事も月島さんが取ってきてくれた仕事だし、月島さんの方が僕より編集者の人の話も分かっているだろうし」