思わず強い口調になってしまう。どうしよう。心臓が爆発しそうな位ドキドキ言っている。

体中が熱いし、目頭にジンジンと熱が集まって行く。気を抜いたらうっかり泣いてしまいそうだ。

「あれは、静綺と出会うずっと前の話だ!
それに付き合ってたとかそういう話じゃない!」

じゃあ、どういう話だって言うのよ!

抱きしめられていた体を無理やり離して、大きく宙に振り上げられた手はいつの間にか真央の頬へと着地していた。

心の中がぐちゃぐちゃだ。大きく目を見開いた真央は、何かを言おうと口を開こうとする。
有無も言わせずにプレゼントが入った箱を投げつけて、そのまま部屋を飛び出した。

「静綺!!」

部屋から飛び出したら、途端に涙が溢れた。

どうしてハッキリと否定してくれなかったの?どうしてあなたはそんなに正直者で素直なのよ。こういう時に限って

付き合っては無い。その意味は付き合ってはいないけれど、それに付随するような行為があったと言っているのと同義なのよ?

どうして上手に嘘をついてくれないの?



25歳の真央の誕生日。お昼まではとても幸せだった。

あなたが私を必要だと言ってくれたから。でも私、本当に必要だった?それは花乃さんでも代えの利くような物なのではないのか?

私と居ても口を開けば喧嘩ばかり、それならば穏やかな笑顔を向ける花乃さんと一緒に居る方が真央も気が楽なのではないのだろうか。

嫉妬と怒りで頭がぐちゃぐちゃだった。素直な気持ちでおめでとうって言って、一生懸命に選んだプレゼントを渡したかっただけなのに…。