全体重をこちらへ乗せて、足元がふらふらになる位酔っぱらってる。けれど当の本人は機嫌が良さそうなのが、これまたムカつく。
全く話せなかったけれどさぞパーティーは楽しかった事でしょうよ。あんな綺麗なマネージャーといちゃいちゃしちゃって!
部屋に着くと、乱暴にベッドに真央の体を打ち付けるように投げた。
「痛ぇな!お前は乱暴だッ。もっと優しく扱え!」
「乱暴で悪かったわね!いい歳して酔っぱらっちゃってみっともないったらありゃしない!」
「俺はまだ25歳だ!ジジイ扱いすんなッ」
頬がほんのり赤い。視点は定まっていなくて、酔っぱらっている証拠。
熱を持った手で私の腕を強く引っ張った。そしてベッドへと引き寄せられる。
真央の香りとお酒の香りが混じり合う。いつもより熱っぽい瞳はほんの少し緩んでいる。それが生意気な顔を少しだけ柔らかくさせる。引き寄せた後に彼は私へと優しいキスを落とした。お酒の混じり合った味のするキス。
何でだろう。お昼は幸せだったのに、今はキスをされてもモヤモヤばかりしていた。
気を取り直して真央へあげるプレゼントを渡そうと、一緒に持ってきたバックに手を掛けようとする、と。
「静綺、さっき言ってた同窓会行くのかよ…」
寂しそうな声を出して彼が言う。
その目尻が下がり切っていて、玩具を取られた子供のようにシュンと落ち込んだ顔を見せる。
「行くけど…」
「そんなに雄太って奴に会いたいのかよ」
今度は拗ねた口ぶり。…つーかさっきの話まだ気にしてたのか。
思わずため息が出てしまう。この病的なヤキモチ妬きは直りそうもない。人の事は言えないけど…。



