思わず意識がぶっ飛びそうになった。そんな私の様子を見て真央は心配そうに動きを止める。

そしておでことおでこをコツンと合わせて、にこりと優しい微笑みを落とす。その笑みは触れられている時よりも強く私の心を突き動かす。

「やっぱり止めよっか?俺、静綺が辛そうにしてる姿は見たくない」

きゅーーーーーん。

どうしてこの人ってこうなんだろう…。いつもはクソ生意気な程意地悪な癖に、いざとなると優しすぎて甘い。

あんまり完璧にならないで欲しい。隙が無きゃ私の知ってる本来の真央ではなくなってしまうんだから。あなたが完璧すぎると、どうしたって気後れしてしまう。

真央の背中にぎゅっと抱き着いて、首筋に唇を落とす。それにびくりと反応を見せる。自分で自分に驚いている。こんな大胆な事を出来てしまう自分が自分の中にいるなんて。

「だいじょう…ぶ。好きだよ、真央…」

その言葉に真央は少しだけ眉頭を歪ませて苦しそうな顔をする。そして私の額に頬に唇に優しいキスの雨を降らせていく。

「俺も静綺が好きだ――こんなに好きになれる女には、もうきっと出会えない……」

私の上を、ゆっくりと真央が動く。その間もキスの雨は降り止まずに、私の心を嵐のように揺らしていく。

ゆっくりとけれど深く、私の中に真央が入って来るのを感じる。初めは痛みばかりかと思っていたけれど、それは段々と柔らかい快感に変わって行く。

優しい痛みが柔らかい快感に変わって行って、その日私は身も心も真央の物になれたのだ。