毎週のルーティーン。

土曜日は寮に帰らずに真央のマンションで過ごす。今回は実家に帰宅をしたためふたりきりでは過ごせなかった。

「じゃあ、俺のマンションでも行くか」

「うん………」


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12月2日。真央の誕生日。実はひとつの決心をしていた。自分から誘っちゃったりして恥ずかしいんだけど、もっともっと真央と近づきたかった。

気持ちだけじゃなくって、体も全部。ひとつになりたいなんて…まさかこんな自分がここまで大胆な事を言ってしまえるなんて、半年前の自分だったら考えつきもしなかっただろう。

分かっているのかな?真央が私の事を少しずつ変えていってくれているなんて、鈍感なあんたは気づいちゃいないんだろうけど。


始まりはとても静かなものだった。
自宅マンションに着いてどちらからともなくシャワーを浴びて、いつものようにベッドでふたり向き合う。

いつもは夜だが、今日は真昼間から。いつもならばここでムードを壊して真央を拒否してしまう私だけど、今日は覚悟を決めていた。

覚悟を決めたと言っても、緊張で体はガチガチな為ついつい正座をしてぎゅっと目を瞑る。喉はカラカラで、手のひらには汗がじんわりと滲む。

瞬きを忘れてしまう程目の前に居る真央を凝視してしまう。まるで私の緊張が伝わったかのように、目の前に居る真央も真央でその場で固まっていた。

一呼吸置いてから、真央の長い指が私の頬を掠める。びっくりして思わず肩が上がって目を瞑ってしまった。

…覚悟したとはいえ、怖いもんは怖い。真央の事は本当に好きでたまらないけれど、これとそれじゃあ別物だ。チキンと言われる自分の性格を恨みたくもなる。