Act 3  12月2日 あなたの物になります。




あれから真央は寮で暴れつくした。それを止める山之内さんや坂上さんも必死で…必死でこの寮を無くさないで欲しいと社長に懇願したそうだ。

答えはノー。 会長まで話はいっているのかは謎だが、真央は会長に直談判しに行くと言う。

瑠璃さんや豊さんはもう諦めきっているようで、次に暮らすマンションを探すつもりらしい。新しく新設された寮は社長のお気に入りのフレッシュな新人タレントばかりで彼らには居心地の良いものではないらしいから。


嬉しい事があれば、嫌な事も起こって近頃近辺がより一層忙しい気がする。

そんな午後からの授業がない平日に、私は珍しく都内のショッピングモールまで来ていた。りっちゃんと共に。勿論お目当ては真央の誕生日プレゼント探しだった。

「これ超かっこいいね。ひぇ!高い!」

私達が訪れたショッピングモールに入っているシューズショップは、男女ともに若者に大人気の英国製のブーツやシューズが有名なブランドであった。

「自分じゃあ絶対に買おうとは思わない!」

「彼氏には特別ってわけねぇ~」

「色々考え尽くしたんだけど真央に買えない物って結局ないじゃない。
あの人靴は好きそうだし、それにッ!ここのブランドのショートブーツは絶対にスタイルの良い真央に似合うの!」

私の余りの力説ぶりにりっちゃんは思わず吹き出す。
棚に丁寧に飾られている靴を一足一足手に取って、見つめる。