【完】スキャンダル・ヒロイン〜sweet〜


時たまこうやって素直な言葉を口にする所もツボなのだが。本当になんというか愛らしいというか…可愛らしい。

守ってあげたくなる小さな子供のような所もある。

少しだけ体を離すと真央は優しくこちらへ微笑みかけて、顎を指で掴むとチュッとキスをする。愛しい物でも扱うように大切に…。

「そういえばな!」

「ん?」

私を抱きしめたまま、真央は子供のような無邪気な笑顔を見せた。

「12月2日、オフが取れたんだ!」

「え?!本当に?!大丈夫なの?」

それは朗報だ。最近の真央はオフらしいオフが余りない。さすがは売れっ子芸能人。仕事はどんどんと舞い込んでくる。休みがあってないような仕事だからこそ大変なのだと思うのだが。

しかもそれが誕生日なんて最高だ。

その日は寮の皆でサプライズで誕生日パーティーをしようと決めていたから。

「じゃあゆっくり出来るね!しっかり体を休めないと!」

その言葉に真央はその場でずっこけた。どうしてここまで見事にお笑い芸人のようにずっこけられるのだろう。地味にこいつにはお笑いのセンスがあると思っている。

そしてその後に顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。

「12月2日がなんの日か分かっているのか?!
…まさか、お前忘れてるんじゃあ…」

真っ赤になったかと思えば真っ青になる。まるで信号機のようだ。

「分かってますよぉ。王様の生誕祭でしょう?」

意地悪くそう言うと満足そうに踏ん反りがえった。全くこれじゃあちびっこと同じだ。
「まぁー…たまたまオフになったからなぁー…」

それはそれは喜ばしい事ですね、王様。