「外で変なもんを食わせられるより、お前の飯を食ってる方がマシだからな?勘違いすんなよ」
どこまでも素直ではない、全く可愛らしさの感じない愛情表現だが…私にとっては天邪鬼な彼の正反対の言葉はとてつもなく甘いのだ。
ふふっと小さく笑うと真央はまた変な顔をして「変な奴」と言ってオムライスを口いっぱいに頬張る。そして幸せそうな顔をするのだ。
テレビの中では爽やかで優し気なイメージ。
それも最近ではバラエティに出演するようになってイメージは少しずつ覆さられてきた。
実は少し天然で抜けてる所がある。そんな姫岡真央も可愛いと視聴者からは中々の好評である。
けれど私は誰も知らないこの意地悪な子供っぽい所も好きだ。照れ屋で思った事の正反対の言葉ばかり言ってしまう所も、最初は怖いと思ったけれどいつの間にか好きになっていった。
出来ればこのまま何事もなく真央と付き合っていきたい。
真央と坂上さんの食事を片付けてから、明日の朝食の下ごしらえをして
皆それぞれお風呂に入ったりテレビを見たりして、食堂で固まる。思い思いに時間は過ぎて行き、自分の部屋に戻って行く。
私も最後にお風呂に入り、お風呂掃除を済ませてから自室に戻る。…自室に戻ったかと思えば、何故かベッドの上には真央が居て、携帯を片手で弄りながらベッドに横たわっている。
「おお、遅ぇぞ?」
「ふー今日は疲れたー」
その言葉を無視して、お茶を一気に飲み干す。
「おいッ!無視すんな!俺は疲れているのだぞ?
今日も1日いっぱい撮影だ。疲れて帰って来ていると言うのにだな、お前との時間をわざわざ設けて
お前はもっと俺を大切にするべきだ!」



