「じゃあ今度寮に行く前にどっか遊びに行こう」

「アハハ、またスクープされてスキャンダルになっちゃうよ?」

「いいじゃねぇか。お前と堂々と歩く為に婚約発表をしたんだ。
それにお前とスキャンダルは俺にとって光栄だ」


柔らかく甘い声が耳元を掠める。少しだけ癖のあるハスキーボイス。優しく鼓膜を揺らしていく。


誰だって自分の中の物語の主役は自分である。
私の中に落ちた甘い運命のストーリ。そのヒロインだって勿論私で

目の前で不敵に笑う彼は私だけのヒーロー。少しだけ捻くれていて素直じゃなくて怒りっぽい、けれどたまに見せる顔は溶けてしまいそうな程甘くて、無邪気に笑う姿は子供みたいで可愛い。

この先もずっと一緒に歩いていく。その中で泣いたり笑ったり、喧嘩も沢山あって、それでも最終的に行きつく場所がふたり一緒ならばそれでいい。

ふたりで作って行くストーリーの中で、幾つになってもあなたの中のヒロインでいたい。


完結。