「あんたって可愛いのよね。意地っ張りな所があるけど、実は素直で。
真央にとったらあんたのそういう純粋な所が可愛くて可愛くて仕方がないんでしょうがよ」
「岬も可愛いよ。捻くれてる所あるけど」
優しい顔をして岬さんに昴さんが言うと、少し上を見上げて頬をぷくっと膨らませる。触るなぁ!と言って、頭の上の手をどかせると、昴さんの背中を両手でぽこぽこと叩く。
やっぱりこのふたりお似合いなんだよなぁ~。
「昴さんと岬さんってお似合いですよね」
「あッ瑠璃もそう思ったぁ~ッ。岬ちゃんも真央と同じツンデレ属性なんだから、ほんわかとした昴とお似合いなんだよねぇ」
ニヤッとした視線を瑠璃さんがふたりへ向けると、岬さんの頬はもっと膨れ上がって段々と顔が赤くなってくる。
「そっか…。岬って考えは今までなかったな。アイドルは恋愛禁止だし。
どう岬、俺と付き合ってみる?」
「なッ………。ぜっーったいに昴となんか付き合わないもん!」
「え?俺こんなにきっぱり振られちゃう?」
「昴みたいに誰にでも平等で優しい男、嫌いッ!」
ふたりのやり取りに皆顔を見合わせて笑う。
中々にお似合いだとは思うけど。
その夜は本当に楽しいものだった。
岬さんが中心で作った料理はほっぺたが落ちそうな位美味しくて、山之内さんからは卒業祝いと可愛らしいプレゼントも貰った。
そこまでしてもらえるとは思っていなかったので、本当に嬉しかった。
思いもしなかった真央のサプライズの薔薇の花束も。



