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まだきっと真央は仕事中だと思う。マンションに着いてオートロックを解除して、部屋の鍵を開けると、そこには驚くような光景が広がっていた。
「え…?」
いつも通っていた真央のマンション。見慣れた部屋。シンプルだけど高そうな家具たち。何故かほぼ全て撤去されていた。
がらりとした寝室はいつもよりずっと広く感じて、そこに不安が過る。
テレビもソファーもない。寝室を覗いて見ると大きなベッドだけはかろうじて置かれていたが、その他の細々とした物はまるで始めから存在していなかったかの如く消え去っている。
慌ててウォークインクローゼットの中を見ると、コレクションしているスニーカーも消え去っていて、洋服もまばらに置かれているだけ。
因みに私もここにほんの少し自分の私服を置いていた。それもまるで魔法のように消え去っていた。
「何で?」
主を失ったような室内の中に薄ら寒い空気だけが流れていた。
胸にかけられているクリスマスに貰ったネックレスをぎゅっと握りしめる。 どうして?それしか考えられなかった。
まるで足跡さえも残さぬまま消えたと言っても過言でもない風景を前に、不安は募る。
真央は本気で全てを終わらせるつもりなのかもしれない。寮にも帰らずに、まるで引っ越しでもすると言わんばかりにマンション内の荷物も消え去った。
唯一繋がっていた物、寮に帰らなくともマンションの鍵さえ持っていればいつでも会えると思っていた。そんな繋がりさえ彼は無くしてしまおうとしていたのだろうか。
まだきっと真央は仕事中だと思う。マンションに着いてオートロックを解除して、部屋の鍵を開けると、そこには驚くような光景が広がっていた。
「え…?」
いつも通っていた真央のマンション。見慣れた部屋。シンプルだけど高そうな家具たち。何故かほぼ全て撤去されていた。
がらりとした寝室はいつもよりずっと広く感じて、そこに不安が過る。
テレビもソファーもない。寝室を覗いて見ると大きなベッドだけはかろうじて置かれていたが、その他の細々とした物はまるで始めから存在していなかったかの如く消え去っている。
慌ててウォークインクローゼットの中を見ると、コレクションしているスニーカーも消え去っていて、洋服もまばらに置かれているだけ。
因みに私もここにほんの少し自分の私服を置いていた。それもまるで魔法のように消え去っていた。
「何で?」
主を失ったような室内の中に薄ら寒い空気だけが流れていた。
胸にかけられているクリスマスに貰ったネックレスをぎゅっと握りしめる。 どうして?それしか考えられなかった。
まるで足跡さえも残さぬまま消えたと言っても過言でもない風景を前に、不安は募る。
真央は本気で全てを終わらせるつもりなのかもしれない。寮にも帰らずに、まるで引っ越しでもすると言わんばかりにマンション内の荷物も消え去った。
唯一繋がっていた物、寮に帰らなくともマンションの鍵さえ持っていればいつでも会えると思っていた。そんな繋がりさえ彼は無くしてしまおうとしていたのだろうか。



