「もしも真央と別れる事になっても、私が雄太とどうにかなるとかってのは絶対にない。
私は真央が好きなの。
芸能人でも世界が違っても、ちょっとずれてるなって感じる時もある。
それでも一緒に居たいと思えるのは真央だけなの――」
自分の気持ち、雄太の目を見て言えたと思う。
世界の違うふたり。同じ目線で見ていても、違う景色が見えたとしても、隣で歩き続けたいと思えるのは、真央だけだから。
「はぁー……
当たり前だけど、棚橋成長したよね。」
「ん?」
くすっと少し笑って珈琲カップをテーブルの上に置く。
かちゃんと金属音がぶつかり合うのが響いたと同時に雄太は口を開く。
「昔から不思議な奴だなーと思ってて、あの頃の可愛い棚橋も好きだったけれど、なんっか棚橋っていつまで経っても恋愛に興味がないって感じだったから、結局昔から告白出来ずじまい。
同窓会で出会った時もあの頃と変わらずに少し周りに流されやすい奴だけど、変わらず可愛くって。ついつい懐かしい気持ちが蘇ってきて、付き合えたらいいなぁーとか思ったんだけど
強引にしてしまってごめんね?脈ナシなのは何となく気づいていたけど、強引に行けば流されやすい棚橋なら何とかなるかなーとか思っちゃって
だから今日そうやって自分の意思をハッキリと口にする奴なんだって驚いた。」
「気持ちに応えられなくって、ごめんなさい」
「それに姫岡さんも芸能人だからってどうせ遊ばれてんじゃねぇの?とか思ってたんだけど、普通に嫉妬深い人でびっくりしたし
それ程棚橋が好きで大切に想ってるってことだよな。
俺なんて敵う訳ねぇよな」



