「それに西園寺がプロデューサーの柊と出来てるのは業界でも有名な話だし。
自分をプロデュースする男と出来てる女とか気持ち悪いったらねぇよ。
それにツンケンしてて嫌な女だったわー…」
「あんたは……。西園寺さんの歌も良かったけれど、挿入歌を歌うLUNAの子達の歌もすごいいいのよねぇ。
メンバーが全員かっこいい!アイドルなのにメインボーカルの子がすごく歌が上手いの」
「お前……ミーハーになったもんだな?
それにLUNAなんて中堅アイドルじゃねぇか。ちゃらちゃらしててどこがかっこいいのかわっかんねぇ。
あいつら絶対女遊び激しいだろうし気に食わねぇ」
まぁ…基本的に人の悪口しか出てこないタイプだよな…。悪い人でない事はもうとっくに知っているけど。
真央はテレビに出る時や雑誌に出る時の顔と、普段の顔が全然違う。私はそのギャップが好きだし、素の真央は少し天然で面白くて好きなのだが、なんせ世間のイメージは好青年なもので、初めて出会った時はそのギャップに驚かされた。
「まぁどっちにしろ芸能界で働く人ってやっぱり世界が違うって感じ」
「何だそれ。お前も同じ人間じゃねぇか。俺はお前と自分が違うなんて全然考えた事ねぇけどな。それにお前が自信がなさすぎだ。
少なくともこの俺に選ばれたお前は中々良いって事を覚えておけ」
口は悪いし言葉も良くないけれど、実はとても優しい所がある。
真央の方へ肩を寄せると、彼は不思議な顔をして私の頭に手を掛ける。
やっぱりこの時間幸せ。世界中の人にこんな素敵な人が彼氏だって自慢したい位、自慢の彼氏なんだ。



