どこにでもある、都内の大衆居酒屋。
大学生らしい。飲み放題3000円のリーズナブルな価格で、平日だというのに店内は混みあっていた。
仕事帰りのサラリーマンと、同世代の若い人たちも多かったと思う。 りっちゃんの言いつけ通り烏龍茶を頼んだ。雄太は飲まないの?とお酒を勧めてきたが、この間のような失態は避けたい所。
「隼人くん超ウケる~!」
「え~律ちゃんの方が面白いし」
「全然法学部に通ってるようには見えないよね?頭の良い子ってもっと固いイメージあったよ」
「えー結構俺って馬鹿だよね?雄太くん」
「うん、隼人は馬鹿だよ。頭はいいけど、中身は馬鹿」
「あ~そこまで言う~?」
りっちゃんは偉くご機嫌でビールのジョッキが進む。楽しい証拠である。
そして思ってたよりも隼人くんがタイプだったに違いない。年下というのはもう気にならないらしく、私から見てもふたりはいい感じだと思う。
「棚橋マジで飲まないの?」
「うん。お酒で失敗してるしね」
「あー…同窓会の時飲みすぎたもんな?
あ、すいませーん。星月次何飲む?隼人も。
あ、後お皿もう少し貰ってもいいですかー?」
雄太は率先してよく動いた。店員さんからグラスを受け取る度に’ありがとう’とお礼を言って
それをさらりと自然にこなしてしまうものだから、かっこよく見えてしまうのだ。
「棚橋サラダ取り分けるね、嫌いな物ないっけ?」
「あ、ありがとう!嫌いな物はないよ!てゆーか雄太って気遣い屋さんだね」



