最初は昴さんの方が全然かっこいいと思ったし。 隣に並ぶ雄太を見つめると不思議そうな顔をして、首を傾げる。
そういえば…雄太もどちらかといえば昴さんタイプだな。昴さんの方が華やかさは勿論あるけれど、ふんわりとしてて優し気な雰囲気とか。
そう考えたら見た目だけだったら真央より全然タイプなんだけど。
そんな事を考えてしまった自分にハッとして、足を止める。ジッと隣に居る人を見上げると、また首を傾げて眼を細め微笑う。
「どうした?」
声のトーンも落ち着いていて、どこか大人びている。
自分の頬を片方殴ると、雄太は「何やってんの」とまた小さく笑う。
やばいって、客観的に見るとこの人って私のタイプなんだ。そんな事を考えてしまった自分を戒める為に殴った頬は、じんじんと熱を持って痛んだ。
「あ、棚橋このお店だよ」
「お、いい感じのお店ですね~
ん?」
「どうした?」
「いや……何か視線を感じたような」
「えー?誰か知り合いでも居た?」
後ろを振り返ってみても、知っているような顔は見つけられなかった。
こんな事、この間もあったような気がした。あれも雄太とイルミネーションを見ていた時だった。
週刊誌の事があってから、精神が過敏になっているのかもれない。真央と居るのならばともかく、私ひとりを追いかける芸能記者なんていないだろう。
その時は気のせいだと思い、察して気にはしてはいなかった。
「棚橋、入ろう」
「うん…」



