りっちゃんは現在彼氏がいない。私と違ってモテない訳ではない。
中学から大学まで彼女にはコンスタントに彼氏は居た。コミュ力が高くて、可愛らしい女の子だから当たり前だけど。
ここ1年いなかっただけなのだが、その話を雄太にすると同級生を紹介してくれる事になったんだと言う。りっちゃんは勿論ノリノリ。雄太の友達も同じく法学部に通う男の子だそうだ。一応将来のエリート候補だから、今日のりっちゃんは少しだけ気合いが入っていたと思う。
それと同じ位私と真央の事を考え申し訳なさそうな顔をするのだが…。
「今日は姫岡さんに何て?」
「大学で教授に卒論の事について相談があるからって。その後大学の友達とちょっとご飯食べて来るって…」
「はぁ~…何で嘘が苦手なのに嘘つくかな~…。
でも今日もさっさと帰っちゃいなよ!雄太の紹介してくれた人が素敵な人だったら、後は自分で何とかするし
不細工だったら理由つけてすぐに帰ろうね」
「りっちゃん不細工嫌いだもんね?」
「いくら将来有望っつっても不細工は嫌」
ふふっと顔を見合わせて笑う。
最近は何かと忙しくって、りっちゃんと遊ぶのも久しぶりだ。
真央を優先するつもりはないけれど、忙しい彼の事だから時間があればその隙間でも一緒に居たい。
と、いう事で友人付き合いをおざなりにしてきた感がある。 だから今回はりっちゃんと久しぶりに遊べるのも楽しみだった。



