私以上はいないと言い切ってしまえるのだろう。 いつも不安だ。真央の気持ちが離れて行く事、変わって行く事。それは自分に自信がないからで
でもこの人はハッキリと言葉で伝えてくれる。どうしてこんなに私を好きでいてくれるの?
「そういう訳じゃないけど…未来の事なんて誰にも分からないじゃんか」
その言葉に眉をしかめて怒った。
「確かに未来の事は分からない。けれど俺はお前がいない未来なんて想像もした事ないね」
自分が恥ずかしくなってしまう。これだけ一途に想われているのに、何を隠れて自分に想いを寄せる男とこそこそ連絡を取っていると言うのか。
真央は……私には真っ直ぐすぎる。まるでこれじゃあ私が人生に保険をかけているようだ。
「まぁ、働くのはお前の自由だ。そこは止めないが、静綺は大学を卒業したら俺と一緒に暮らせ。
寮からじゃあ勤めに行くのも大変だろう。
お前の職場に近いマンションを借りて一緒に暮らそう」
「そんな…そこまで…
ってか、寮は一体どうなっちゃうの?!」
そこで真央はニヤリと口角を上げて笑った。
「やっと会長が海外から帰ってくるみたいなんだよ。
俺が掛け合えば、寮は存続すると思う。なんてたって決定権は社長ではなく会長にある。
だからあの寮はなくならないだろう、安心したまえ」
その言葉にホッとした。
真央にとっても思い出深い大切な場所であるだろうし、私にとっても真央と出会った大切な場所だ。
「それは良かった…」



