「お前も来るか?イタリアなら外国人ばかりで一緒に歩いてたって騒がれる事もないだろう」
「行きたいけど、普通に考えて行ける訳ないよねぇ…。4月からは社会人だし」
「フンッ。就職なんかしなくってもいいだろう。お前は俺とずっと一緒に居ればいいんだ。
生活にも困らないだろうし、わざわざ働く理由も俺には全く理解出来ないけどな」
普通の人は大学を卒業したら働くんだよ。大体真央のお金で生活をしていたら、それはまるでヒモのようじゃないか。
私は収入も生活も全部真央に任せっきりの生き方なんてしたくない。自分の人生だ。自分のしたい事をして生きていたい。それには、余り真央は賛成しているようにも見えなかったが。
「何だ不満そうだな?
いっそ大学卒業したら結婚でもしちまうか?」
だから、何をさらりと…。結婚って人生で重要な事なんだよ?そんな簡単に決めて良いもんじゃない。
軽い物じゃない。
「結婚なんかしない」
「何だよお前、俺と結婚するの嫌なのか?」
「嫌とか良いとかの問題じゃないでしょう?それに私達まだ付き合って半年も経ってないのに、早すぎるでしょ」
「でも俺はこの先お前以上に結婚したいと思う相手は現れないと思うんだけど?それなら早いとか遅い関係あるか?
ハッ?!まさかお前この俺じゃない男と結婚する未来も視野に入れてるのか?!
そんなん許さねぇぞ?!」
どうしてこの人はこんなに真っ直ぐなんだろう。
芸能界なんて特殊な世界に生きているのに。



