あー…やっぱり幸せですわぁー。

抱っこされたままリビングへ運ばれ、ソファーに降ろされると無造作に置かれた雑誌に目をやった。

「あ!それ今日発売の雑誌!めっちゃかっこいいの~!上半身裸がすごくセクシーでね」

自分の写っている雑誌を手に取り、鼻でフンッと笑った。

「何をこんなので興奮している。実物をいつも見ているだろうが」

「そういう事言わないでよ!」

「なんだぁ?お前が望めばいくらでも見せてやるよ、こんな体くらい」

そう言うとおもむろに着ていた衣類を脱ぎだした。

そしてソファーに私を押し倒すのだ。撮影で疲れている筈なのに、真央のきめ細かい肌は艶々で、シャツを開けさせてこちらを見つめる瞳はどこか妖艶だ。

「やめなさい。」

「後で飽きる程見せてやる。今日は早く上がれたし、なんせ気分が良い。
しかし良い匂いだな。今日のご飯は何だ?」

ソファーから起き上がりキッチンへ行くと、その後を子犬のようについてくる。
さっきまで色っぽいと思っていたら、途端に可愛らしくなるもんだからこいつには敵わない。

「めちゃくちゃお腹空いたぞ。お、旨そう」

「今温めるからね~、真央はゆっくり休んでいてよ」

「ああ、じゃあ部屋着に着替えてくる。
今日は嬉しい話がふたつある」

帰って来て早々機嫌は良さそう。鼻歌混じりで部屋に行く後ろ姿を見て安心した。

やっぱり真央が楽しそうに仕事をしている姿を見ると安心する。最近は体調も精神面も安定しているようで、仕事も絶好調のようだ。

メインの料理の大根と豚肉の煮物を温めながら、嬉しい話とはなんだろうと考えていた。