その時フラッシュの眩い光りが当たって、思わず目を瞑る。それと同時に繋がれた指先を離す。
きょろきょろと辺りを見回してみたけれど、誰も私達の方は向いていなかった。…今視線を感じたような気がしたけど、気のせい?
「どうした?」
「何か今フラッシュみたいな光りが…、それに誰かに見られていたような気がして。」
「え?そう?全然気づかなかった。誰かイルミネーションの写真撮ってたんじゃないの?」
「そうかなー?」
「つーかさ、また一緒に出掛けようよッ。今日はすっごく楽しかった」
「いやそれは困る!困るって…、私付き合ってる人いるし…」
私も楽しかったなんて思っていても口には出せまい。
違うんだ。久しぶりに街に出てショッピングしたから楽しかっただけなのだ。大体他の男の人と出掛けて少しでも楽しい気持ちになってしまったら駄目なのだから。
「内緒で居ればバレないじゃん。それに彼氏忙しいでしょ?」
「そういう問題じゃなーい!」
「あはは、やっぱり棚橋真面目だよなぁー…」
「雄太ちょっとちゃらくなったんじゃないの?
昔はもっと違う感じだったのに」



