「俺は棚橋のその綺麗な顔が昔から好きだけど?」
真剣な顔をして、横から覗き込むように見つめる。…だからそんな顔で見つめるのは反則だと…。
「ギャップがいいんだよね。綺麗で可愛いくせに全く自分では意識してなくって、性格は昔っから男っぽいし面白い。
ちょっと天然だよね。でも小学校の頃も中学の時もあんまり自分から話しかける事出来なくって、そのまま高校で分かれちゃった。
結構後悔してる。初恋の子だったんだもん」
「そ、そんな照れるなぁー…。中学の時でも言ってくれれば付き合ってたかもしれないのにー」
茶化していったつもりだったが、こちらを見つめる雄太の目は真剣だった。
ガヤガヤと騒がしいイルミネーションの前で、会話が止まり互いに見つめ合う形になってしまう。
え、何かこの雰囲気やばい。
今私絶対顔赤いし、心臓があり得ない程ドキドキ言っているのですが…。
「そうだな。あの頃きちんと言っておけば良かった。
同窓会で久しぶりに再会した時は本当に嬉しかったんだ。だって棚橋全然変わってなくって、でもあの頃よりずっと綺麗にもなってて
俺今もドキドキしちゃう」
ドキドキしちゃうって言われても…。
や、やっばい。そう思って目を逸らしておもむろにイルミネーションへ目を向ける。
あぁ、やっぱり綺麗。そしてこういうシチュエーション憧れていた。いつか彼氏が出来たら冬のイルミネーションを見て綺麗だねって言い合いながら、でも寒いねって手を繋いで。
そういうベタな事に憧れていた。



