「おい!お前にそんな事言う奴は誰だ!?
そんな奴俺がひとりひとりぶん殴ってやる!大体姫岡真央に似合わないなんて俺が決める事で、あの大学はお前以外の女は皆ブスだー!」
山之内さんのげんこつが再び真央の頭へ飛んだ。
彼は言葉を失くし涙目になって両手で頭を押さえる。
「週刊誌に写真売ったのも恐らく大学構内の子でしょうよ」
「そうだとは思います…。
けれども真央のせいだけじゃなくって…あの行動は私も軽率だったと思います。
迷惑をかけてごめんなさい…」
私は余りにも考え無しだったのだ。
芸能人と付き合うという事を甘く見過ぎていた。
実際にこの週刊誌が発売されてから、ネットのSNSをエゴサして見たら、この話題は相当盛り上がりを見せていた。
大学内の情報はダダ洩れで、もしかしたらそのうちに私自身の個人情報も流失してしまうかもしれない。
改めて恐ろしい世界だと実感する。
「静綺ちゃんが謝る事じゃないのよ。これがアイドルとかだったら大問題なんでしょうけれど、真央は俳優だから。
けれどテレビに出る人間だから一定数のファンは居て、その中には危ない人間も混じってたりするの。私は静綺ちゃんが危険な目に合わないかどうか心配しているの…」
「だから!それは俺が守るって!」
「あんたが24時間静綺ちゃんに張り付けで居れればいいんだけどね?!」
山之内さんの叱咤が真央へと飛ぶ。
「じゃあ俺と居ない間は専属のボディガードでも雇ってくれ」
「そ、そんなのいらないよ?!」



