思わずはしゃいでしまう。
でも…大学生同士付き合っていたらこんな感じのデートをするのだろうか。
真央と以外付き合った事のない私にはよく分からない。やはり1番最初に付き合った男性が人気俳優というのは、中々に普通ではない。
私だって何も気にせずに真央と流行りのカフェに行ったり、ショッピングしたりしたいという気持ちがない訳じゃない。でもそれは現実問題としてすっごく難しい事だから。
「ありがとう。良い物が見つかって助かったよ!」
「いえいえ、私も自分の洋服ついつい買っちゃった~。ショッピングなんて久しぶりだから。
楽しかった~」
自然に’楽しかった’という言葉が口から出て、またまた罪悪感。
けれど横に並ぶ雄太は嬉しそうに笑顔を向けて来る。
何を…楽しんでしまってるんだろう。買い物までしちゃって、しかもこの洋服雄太に選んで貰っちゃったよ?!真央に言わなければバレない事。けれど何故か罪悪感でいっぱいだ。
「近くでイルミネーション見れる所あるんだって」
「え?!イルミネーション?!この間ゆっくり見れなかったんだ!」
「ぷ、近くだから行って見る?」
「行く行く~!うれし~い!この間は追いかけられてゆっくり見る事出来なかったから」
「追いかけられたって、姫岡さんと一緒に見に行ったの?
やっぱり芸能人と付き合うのって大変なんだね」
優しい口調の雄太の言葉に、またずきりと胸が痛む。
だから、楽しんだら駄目なんだってば!何度言い聞かせれば気が済むのよ。



