言っていて、ちょっぴり愚痴っぽくなってしまった。陰で男の前で彼氏の悪口をいう女。それは地雷女だ。
私ってば何を男の前でこんな話を。
「へー、芸能人と付き合うのも大変なんだなぁ」
「まあ、こうやって普通にカフェでお茶は出来ないかな」
「ふぅん。棚橋この後って暇?
講義は入ってないんだよね?」
「え、まあ…そうだけど」
「ちょっと付き合って欲しい所があるんだけど」
嫌な予感はした。流されて、ハッキリと断れないのが自分の悪い所だって言うのも知っている。そんなの充分分かり切っていたのに。
何故に人は流されてしまうのでしょうか。
小学校の頃の同級生。あの頃は恋とか人を好きになる気持ちなんていまいち理解出来なくて、ただ遊んでいるのが楽しかった。
けれど私と雄太はあの頃のままじゃない。背が伸びて、ブラック珈琲を好んで飲むような雄太を私は知らない。
何故か都内に出て来てしまう事になる。物腰は柔らかい癖に強引な雄太の誘いを振りほどけなかった私も私と思うけど。
先程のカフェは雄太に奢られる形になってしまった。払うと言ったのに奢ると聞かなくって、レジ前で数分押し問答をした結果、店員は迷惑そうな顔をし始めて結局奢ってもらう羽目になる。
’ねーちゃんの誕生日プレゼントを選ぶのを手伝って欲しい’という事だった。
そういえば3つ上に雄太にはお姉ちゃんが居た。その人は綺麗で学校でも有名な人だった。
小学校の頃から仲が良くって有名だったけれど、未だに仲が良い事に心がほっこりしてしまう。



