パンっと両手で自分の頬を殴ったら、何やってるんだよと雄太は爽やかな笑顔を見せた。
「それよりパフェ食べようよ。見た目が可愛いだけじゃなくって、味も美味しいんだって」
「べ、別にお腹空いてないし!」
きゅる~っという何とも間抜けなお腹の虫が静かなカフェ内に響いた。
それには雄太もお腹を抱えて笑い出した。私って…本当にもう…。
「どれにする?」
「んじゃあ、ブルーベリーのパフェで。
うわぁ!このホイップたっぷりのココアも超美味しそうなんだけど~…
でも太っちゃうかな~」
「あはは、いいじゃん。好きな物食べなよ。それに棚橋全然太ってないし」
手を挙げて店員さんを呼んだかと思えば、勝手に注文をし出した。 はぁ~…本当に何を呑気にパフェなんか、ココアなんか飲んじゃってるんだか…。
暫く立って注文したパフェと飲み物が運ばれてきて、更に目を輝かせてしまった。
可愛い~!!思わず携帯で何枚も写真を撮る。その様子を見ても雄太は目の前でにこにこと微笑むばかりだった。
「雄太は珈琲だけ…?」
「うん、甘い物苦手だからね」
砂糖もミルクも入れずにブラック珈琲を美味しそうにすする。
やっぱり大人になったなぁーって思う。
私なんて未だにブラック珈琲なんて飲めないし。真央も25歳だけど飲めないけどさ。
久しぶりに会った同級生がやけに大人びて見えるのは、それだけ時間が流れたって事。しかしそれに引き換え子供のようにパフェで大はしゃぎしちゃって。私ってば恥ずかしい奴。
自分は甘い物が苦手なのにこんなカフェを知っているなんて、それだけ女の扱いも慣れてるって事ですよね…?やっぱり目の前の大人になった同級生に動揺は隠し切れない。



