そう言って無理やり大学構内から出る。
もぉー…何でこうなるのよ。呑気にお茶なんてしてる場合でもないのに。
大体何で雄太は大学まで…ハッキリ言って迷惑だ。
その気持ちはどうやら伝わってはいなかったようで、何故か雄太は「おすすめのカフェがある」と私を連れまわす事になるのである。…呑気にカフェでお茶をしている場合ではないような気がするのだけど。
しかし雄太が連れて来てくれたカフェは、とても洗練されていてお洒落で正しく今時って言った感じの何とも素敵な場所である。
さすがは現役大学生。さり気なく女の子が好きそうなカフェを知っているとか、雄太も成長したもんだ。もう小学生の頃のままじゃないから、当たり前なのだが。
「えぇ?!このパフェ超美味しそうッ」
思わず声を上げてしまった。目の前の雄太が安心したように優しい微笑みを向けるから、ハッとした。
私ってば…私ってば…何を喜んでしまっているのだ。こんなお洒落なカフェに来てしまい、可愛らしいメニューを見てついついはしゃいでしまっている自分がどこかに居た。
そして目の前には…爽やかに成長した同級生の男の子。昔から人気者でモテるタイプであったけれど、客観的に見たらこの人…かっこいい、かも?
しかもさらりと女の子の好きそうなカフェに連れて来るなんて、絶対にモテない訳ない。
だって法学生だし、将来のエリート候補だし…。そんな事を考えてしまうなんて私ってなんて薄汚れた雌だろう。



