そして何回か、暇な日はあるか?と訊かれた。その問いに関し、バイトが忙しいと理由をつけてなあなあにしてきた。それでもめげずに雄太は連絡をしてきた。
雄太に何の気持ちがなかろうと、こういう連絡が来るのは非常に困りものだ。断る理由が尽きてしまいそう。今は忙しいで何とか誤魔化しているが。
ドラマがスタートして、真央はますます忙しくなった。ヒロインの実家が大阪という設定もあって、大阪まで撮影に行く日もあって、泊りの日も増えてくる。
私も私で卒論があったから忙しく動いてはいたのだが、会えない日が1日でもあれば寂しいのはもう重症だ。
会えない日は撮影の隙間時間に電話やラインを送ってきてくれたものの、やっぱり1日1回は顔を見たいのだ。
――――――
そんな事を繰り返しているうちに大学の短い冬休みはあっという間に終わり、1月はあっという間に過ぎ去って行った。また大学に通う日々が始まる。
大学ではもっぱら有名人である。周りの好奇の視線にももうすっかりと慣れた。
学校に隣接する大きな図書館で友人何人かと調べ物をする為に入ると、そこには私達と同じように卒論についての調べ物をする学生がちらほら。
こういう機会がなければ余り利用する事のなかった図書館。
結構大きな施設で、学生カードがあれば立ち入れる場所だったのに、勿体ない事をしてきたと思う。
背の大きな本棚を前に書籍を探していると、マナーモードにしていなかった携帯が大きく鳴り響く。ごほん、と誰かの咳払いが聴こえて、慌てて図書館から出ていく。
外に出て画面もろくに見ずに慌てて電話に出る。



