実際に嬉しいのに変わりはない。値段の問題ではなく、私の為に用意してくれた物ならば何だって嬉しいんだ。この素直じゃない所を直さなければ…。
「ありがとうね、色々言っちゃったけれど、嬉しいのは本当の気持ち。
でも私、真央に貰えるならこんな高級な物じゃなくたって嬉しいんだからね?てゆーか真央が居てくれるだけで嬉しいんだから」
「お前は…
全く俺の嬉しくなる事ばかり言ってくれる。
じゃあ行こう」
「行こうってどこに?」
「そのバックを持ってデートに出かけよう。2日も続けてオフが取れる事は滅多にない。
そのなんだ?普通の恋人同士がするような普通のデートをしようじゃないか。お前はそういうの望んでいるんだろう」
「いいの?!」
「いいも何も問題はない。今日と明日はお前の行きたい所したい事なんでも付き合ってやる。
そうと決まれば用意をしろ。俺も用意をする事にする。お前がベッドから離してくれなくて、計画が少しだけ狂ったがな」
おい、ベッドから離してくれなかったのは誰だ?!そっちが何度も何度も…。
そうは思ったが、真央に言われた通り用意をする事にした。
私のしたい事、行きたい場所に行くと言ったのに、車に乗り込むと彼の中で予定は既に決まっていたようで、どこへ行くとも言わずに連れまわされた。
彼氏が出来たらしたい事は沢山あった。
21年間彼氏がいなかった。だからこそ妄想は膨らみに膨らんで、デートで行きたい場所は沢山あった。
インスタ映えするカフェ。
夢がいっぱい溢れるテーマパーク。
水族館や動物園も鉄板。
この時期ならば、イルミネーションってのも素敵じゃない。



