まさか付き合い立てで週刊誌にスクープされるとは思わずに、せっかくすれ違いの末にお互いの想いが通じ合ったのに
けれど問題はこれから立て続けに起こって行くのであった。
本日21時過ぎ。ドラマの収録を終えた真央と、マネージャーの坂上さん。そしてチーフマネージャーの山之内さんが揃って帰って来た。
帰って来るなり明らかに機嫌の悪い真央。その横でオロオロとご機嫌を伺う坂上さん。
山之内さんは大きなため息を吐いた。ダイニングテーブルの椅子に腰を掛けて、黒く長い髪をかき上げてテーブルの上に先ほど瑠璃さんが手にしていたのと同じ雑誌を置く。
「真央。静綺ちゃん、ちょっといいかしら?」
「はい…。」
何となく…。
この記事が出てしまった事によって山之内さんには何らかしらの注意を受ける事は予感していた。
目線を合わせずに彼女の前へ座り込む。すると真央は隣にどかりと腰をおろしたかと思えば、椅子に片方の足を乗せて態度悪く不機嫌な素振りを見せた。
「何だよ。俺腹減ってるんだけどー?!」
「もう!真央は!あんたが悪いのよ?!」
「はぁー?!俺が悪いってなんでだよ?!俺は何もしてねぇだろッ
それにこの週刊誌に書かれている事はほぼ真実で…
まぁ静綺を美人女子大生って書くのはどうかと思うけど」
そこぉ?!
そこ、今関係なくない?!
真央は一切悪びれる事なくテーブルに置かれた雑誌を手に取り不敵に笑う。



