12月2日に誕生日があって、直ぐにクリスマス。プレゼントについて再び非常に悩んだが、無難に真央のよく着ているブランドのパーカーをプレゼントした。
彼氏が出来て嬉しい悩み。それはイベントごとのプレゼント選びだった。プレゼントなんかいらん、と真央はいつも言うけれど、あげたらあげたでこっちが嬉しくなってしまう程大袈裟なリアクションをしてくれるから、それがまた嬉しい。
そしてこの2日間のオフはクリスマスの振り替えという形でふたりで楽しもうと真央が提案をしてきた。
お昼過ぎにベッドから起き上がり、キッチンでお茶を淹れている時だった。
真央は落ち着かない様子でそわそわとしながらソファーに座っていた。こんな時でも時間が少し空けばボロボロになった台本に目を落とす。
その真剣な顔が好きだった。何度でも読み古されたであろう台本には、汚い字で書き込みがいっぱい。それは真央が仕事と真剣に向き合っている証拠なのだから。
「はい。ミルクティー。砂糖たっぷりね」
「おお、ありがとう」
苦い珈琲が飲めない真央にはもっぱら甘い飲み物か緑茶。
本人いわく、珈琲は喉に悪いらしい。私は好きだし、真央の特徴だと思っているハスキーボイスもどうやら本人は気にしてる模様。
隣に座ると、ぱたんと台本を閉じてこちらへ穏やかな笑顔を向ける。
「悪いな。オフだと言うのに台本を読んでしまって」
「全然気にしないで。私仕事してる時の真央も好きだし」
「お前は本当に…。いつも俺の仕事の事を考えてくれて、ありがとうな。あんまり構ってやれねぇのに」
「いえいえ仕事に集中してくれる方が安心するし、私真央のファンなんだからね」



