「色気がなくって悪かったわね」
「誰にも渡したくない。見せたくない。俺の中に閉じ込めておきたい…」
「真央…」
「俺はお前が好きすぎる。一度医者に見て貰った方がいいのではないだろうか?体も心もお前に会ってからおかしくなってしまったとしか思えないんだ」
だからそれは失礼過ぎるって。胸元に唇を落とし、顔を上げた真央の色っぽい眼差し。
そんな顔をして酷く拍子抜けする事を言うもんだから、質が悪い。
「それは恋の病よ」
冗談で言ったつもりだが、真央は偉く腑に落ちたとでも言わんばかりに「成る程」と感心しながら頷いた。…冗談なのに。
「そんな事言ったら私なんてずっと恋の病に落ちてるけどね。
もう真央と一緒にいて抱きしめられたり触られたりするたびに胸がキュンキュン止まらないんだもん」
「おお!俺もそうだぞ?!
静綺が愛しすぎて胸のあたりがキューっとして苦しくなるんだ」
顔を見合わせて思わず笑ってしまう。
どこのバカップルの会話だ。
あんたには生涯飽きそうもないわよ。どれだけ抱き合っても、一緒に居たって、もっともっとずっと一緒に居たくなるんだから。
きっとこんな気持ち、真央とじゃなきゃ経験出来なかった。
「それにしても真央って本当に綺麗な顔よねぇ」
「何を言っている。お前も世界中の女の中で1番可愛いぞ。まぁ可愛いのは顔だけじゃなくって。全てだがな!」
だからやっぱりバカップル。
クリスマスは仕事があった為デートは一緒に過ごす事は出来なかった。



